友田オレ「お笑いよりちょっとマイペースに、好きな音楽を形にしました」

5月13日に自身初となるアルバム『陽動』をリリースした、お笑い芸人の友田オレさんにインタビュー。歌ネタを得意とする友田さんが、本格的な音楽アルバムを手がけるに至った経緯を聞いた。


自分で聴く時も、気取ってない歌詞が好き

2025年、当時23歳で史上最年少の『R-1グランプリ(以下R-1)』王者に輝き、お笑い界に鮮烈な印象を残した友田オレさん。『R-1』決勝でも披露した「ないないなないなない音頭」や演歌の大御所風キャラクターの“風間和彦”が唄う「辛い食べ物節」などいわゆる歌ネタを得意とし、美声の持ち主としても知られる。そんな友田さんが本格的な音楽アルバム『陽動』をリリースした。実は、芸人と並行し音楽活動も着実に続けてきていたのだ。

「現在、ロックバンドbrooksで活動する清水遊は中高時代、バンドを一緒にしていた音楽仲間。彼と2人で馴染みのあるポップスをルーツにアルバムが作れないかと思ったのが出発点です。『R-1』を獲ったし、アルバムをリリースする大義名分はできたかなと。競争や消費スピードが早いお笑いと違い、音楽はマイペースに楽しみながら地道に形にできればと進めてきました」

先に挙げた歌ネタの楽曲も清水さんとの共作。とはいえアルバムの制作はそれとは全く異なったそう。「ネタの時は歌詞と内容を僕が作って持っていき曲にしてもらう。アルバム制作は、それとは真逆。清水が作った曲に対して、僕が返答をして歌詞をつけて、そのラリーを繰り返しながら出来上がっていきました」

二人が好きなものは、’80年代のロックから軽妙なシティポップ、テクノやJ-POPと幅広い。アルバムにはその音楽的奥行きを感じさせる良曲が並ぶ。いずれの曲にも透明感のある友田さんのボーカルが映え、どこか懐かしい響きも感じる。先行配信された「身を粉/MIWOKO」では編曲家のku-tenを迎え、ストリングスやホーンが入った華やかなサウンドが楽しい。昭和歌謡の趣あるアレンジは、友田さんの歌声と絶妙にマッチする。

「レトロっぽさが乗るのは自分の好みなのかも。今っぽい突き抜ける感じの高音ボーカルより堺正章さんや米米CLUBのカールスモーキー石井さんなどの哀愁があってその人の個性が乗る歌声が好きで。そういう部分は影響を受けていると思います」

アップテンポの良質なメロディに〈俺はこの家の穀潰しさ〉〈身を粉にして働いている〉などとても聞き流すことができないパンチラインが響くのもまた友田オレ流。

「自分で聴く時も、気取ってない歌詞が好き。ネタの場合、無駄な情報は削ぎ落とす作業になるのですが、音楽では肉付けに自由が利く。それもまた楽しかったです。アルバムは、清水やku-tenといった同世代の仲間たちと楽しく作れてリリースできたらそれがゴールなんだとけっこうハードル低めでやってきましたが、いいものができたので、今はあわよくばバズってくれたらうれしいなって思っています(笑)」

Profile

友田オレ

ともだ・おれ 2001年生まれ、福岡県出身。早稲田大学お笑い工房LUDOに所属し、学生時代からピン芸人として活動。風間和彦名義で、'25年に日本クラウンより「辛い食べ物節」でメジャーデビューも果たす。

information

『陽動』

1stアルバム。先行配信された「身を粉/MIWOKO feat.ku-ten」や過去にリリースされた「花はどんどん」「ごらんね」の再録など全8曲。全楽曲の作詞を友田オレが手がける。デジタル配信のみ。(HIP LAND MUSIC)

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写真・Nae.Jay 取材、文・梅原加奈

anan 2497号(2026年5月27日発売)より
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No.2497掲載

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