意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「国家情報局」です。
情報収集は必要だが、言論の自由も死守して
政府は「国家情報会議」と「国家情報局」を設置する法案を閣議決定し、国会に提出したのち、7月には設置する方針を示しました。
情報の収集・分析を「インテリジェンス」といいます。アメリカにはCIA、イギリスにはMI5やMI6などの情報機関がありますが、日本はインテリジェンス機能が弱いといわれており、その強化に向けて高市政権の肝入りで出された法案です。
これまではテロ情報や経済動向、衛星情報などは別々の機関で扱っていました。それらを一元化し、総合的に分析できるようにします。「国家情報会議」は、首相のほか官房長官や防衛相、外相などの9閣僚で構成し、首相が議長を務めます。「国家情報局」は内閣情報調査室を格上げしたもので、外務省や公安調査庁、警察庁、防衛省などの情報を集約する司令塔になります。
これらは、外交や安全保障政策の立案を行っている国家安全保障局(NSS)と同格の扱いになり、強い権限を持つようになります。
戦争を引き起こさないためにも、戦争やテロ、さまざまな犯罪から国を守るためにも情報収集能力は必須です。最近は認知戦も繰り広げられており、正確な情報をいち早く知り、他国がどのような企みを持って行動を起こしているのか、一手も二手も先を読まなければ判断を見誤ります。
ただ、不穏な動きを察知するためには普段から情報を広く収集しなければなりません。そうなると私たちも監視の対象になります。本来は内心の自由がありますが、ネット社会で、全てが晒されてしまうような状況になると、「滅多なことを言うもんじゃない」と、表現や言論の自由にもプレッシャーがかけられることに繋がりかねません。
高市政権は「インテリジェンス・スパイ防止関連法制」も検討。ロビー活動をする人たちを登録制にするなど、誰がどういう理由で政治に関わろうとしているのかを辿れるようにしようとしています。
市民側も、政府の動きを監視できる体制を作り、独裁的なリーダーが強権をふるわないよう、健全なバランスをとることが大事だと思います。
五月女ケイ子解読員から一言

何を見てもフェイク? 本物? って確認しそうになってしまう今日この頃。国民も監視されていくのですね。でもたくさんいる国民の方も、みんなが踊らされずに、1人1カメになって政治を監視すれば相当な情報力になって悪い政治を炙り出せそうです。
解説員
Profile
堀 潤
ほり・じゅん ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『堀潤 Live Junction』(TOKYO MX月~金曜20:00~21:00)が放送中。著書『災害とデマ』(集英社)が発売中。
解読員
Profile
五月女ケイ子
そおとめ・けいこ イラストレーター。楽しいグッズが買える、五月女百貨店が好評。細川徹との共著、ゆるくておバカな昔ばなし『桃太郎、エステへ行く』(東京ニュース通信社)が発売中。
anan 2492号(2026年4月15日発売)より


















