100日間のトレーニングを経て、いよいよスタートラインに立つ片桐彩香さん(右)と、ゆかさん(左)

11月16日(日)に開催された、「神戸マラソン2025」。アシックスの100日間サポートプログラム『ASICS Running Program Road to 神戸マラソン2025』で完走を目指してトレーニングを積んできた、フルマラソン初心者二人。その挑戦を追った連載企画も、今回が完結編。気になる結果をレポートします!

Index

    プログラム参加メンバー

    Profile

    片桐彩香さん

    『ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI』副店長。2024年11月からランニングをスタート。2025年1月に初フルマラソンとなる「館山若潮マラソン」に出場し、完走。「神戸マラソン2025」には、改めて練習の基礎を積んでから挑みたいとプログラムに参加。

    ゆかさん

    IT企業勤務。2024年11月からランニングをスタート。2025年1月に「東京ニューイヤーハーフマラソン」10kmの部でマラソン大会初出場。同年3月、「練馬こぶしハーフマラソン」に出場するも完走ならず…。「神戸マラソン2025」でフルマラソンに初挑戦。

    『ASICS Running Program Road to 神戸マラソン2025』とは?

    Information

    日本発のグローバルスポーツブランド『ASICS』が、「神戸マラソン2025」やマラソン大会に挑戦するランナー向けに提供しているランニングサポートプログラム。

    目標レベルが3段階に設定されていて、大会完走を目指す初級者向けの「完走目標コース」と、フルマラソンを4~4時間半以内に完走したい中級者向けの「サブ4~サブ4.5目標コース」、3~3時間半以内に完走したい上級者向けの「サブ3~サブ3.5目標コース」がある。

    プログラムで提示するトレーニングは週2回。ASICSのアプリ「ASICS Runkeeper」を使ってバーチャルレースに参加し、参加者のなかで自分がどれくらいの順位にいるのか確認したり、専用LINEでコーチからのアドバイスを受け取ったりすることができる。片桐さんとゆかさんは「完走目標コース」を実施。

    ※プログラムの募集は現在終了。

    しっかり練習を積み重ね、「あとは走るだけ!」

    「神戸マラソン 2025」に向けた100日間サポートプログラムが始まったのは、8月初旬。今年も酷暑に見舞われ、残暑も厳しいという過酷な環境のなか、週2回のランニングトレーニングを欠かさず行った片桐彩香さんと、体調不良でお休みした数回を除いてトレーニングをやり遂げたゆかさん。

    本番の朝を迎え、「できるだけのことはやってきました。あとは走るだけ!」と二人。

    沿道にはフラッグが並び、神戸の街はランナーを迎える準備万端

    片桐さんは、アイスをご褒美にコツコツと練習をこなし、ペースコントロールも上手な優等生。ゆかさんは、つい速く走りすぎてしまうクセの修正に取り組み、プログラム期間中にもランニング大会に出場。腕試しを挟みつつ、フルマラソンデビューへ。

    目標は、「前回の『館山若潮マラソン』が5時間38分だったので、それよりもいいタイムでフィニッシュできたら」と片桐さん。ゆかさんは、「初フルマラソンなので、とにかく完走すること」と、意気込みを語りました。

    プログラムをとおして知り合い、練習を報告し合ったり、ときに一緒に走ったりしながら、ラン友としてすっかり仲良くなった二人。それぞれの思いを胸に、スタートラインに向かいます。

    ドキドキ、ワクワクが入りまじった表情の片桐さんとゆかさん

    練習中の足元を支え続けた「GEL-KAYANO 32」。もちろん、この日も一緒

    神戸市役所前からレースがスタート

    神戸マラソンには、毎回、世界のトップランナーも出場。右手にそびえるのが神戸市役所

    午前9時。スタート号砲を合図に、神戸市役所前から一斉に走り出したランナーたち。

    「神戸マラソン 2025」の42.195kmのコースは、神戸市の中心地・三宮、南京町や旧居留地がある元町など市街地を抜けて、10km地点くらいから瀬戸内海の海岸沿いへ。途中、明石海峡大橋など神戸らしい景色を眺めながら、メリケンパークのフィニッシュ地点を目指します。

    片桐さんは快調な走り出し。一方、ゆかさんは…?

    12kmほどの地点で、片桐さんをキャッチ。

    「体力的には、まだ余裕。その手前の給水所で、楽しみにしていた『神戸苺トリュフ』がもらえてよかったなって思っていました(笑)」(片桐さん)

    笑顔で手を振る片桐さん。本番でも、おやつがランの原動力に

    片桐さんが走り去ってから10分ほど。ゆかさんも、12km地点に到着。しかし、途中でトラブルがあったようで…。

    「実は、4kmくらいで気持ちが悪くなってしまって…。ボランティアの方にお水をもらったりしながら助けてもらったんですけど、あやうくリタイアするところでした。

    でも、このプログラムに参加したからにはなんとか完走したいと思っていたし、それになにより友だちやSNSを通じてたくさんの方に応援してもらっていたので、その声に応えたい。少し休んで、気持ちを奮い立たせました」(ゆかさん)

    折り返しの20km付近を走るゆかさん。この頃には、お腹も痛かったとか(泣)

    折り返し地点は、明石海峡大橋を望む絶景ポイント。思わず写真を撮るランナーも

    片桐さんがフィニッシュ。目標を達成!

    前回の5時間38分を切りたいと話していた片桐さんは、そのタイムを大きく上回る5時間2分でフィニッシュ。

    「33kmくらいで『いま脚を止めたら、つるかも!』という瞬間があったんですけど、水分を多めに摂るなど気をつけながら走って、無事ゴールすることができました。

    でも、着替えの時にタイツを脱いだら、脚が動かなくなってしまって…。ちょっと宣伝みたいになってしまいますが(笑)、

    のおかげもあって、最後まで脚が止まらず走り切れたんだと実感しました」(片桐さん)

    好タイムを記録して、また新たな目標が見つかった。

    「あと2分早ければ5時間を切れるところだったのに、一歩及ばず。池田美穂コーチ(これまで二人のトレーニングをサポートしてくれていたアシックスランニングコーチ)のアドバイス通りに、もう少しピッチを上げる練習を、早い段階からできていればいけたのかも、という反省もあります。でも、やっぱりそれより大きいのは、完走できた達成感です。また来年とか次の大会で、がんばりたいなって思います」(片桐さん)

    フィニッシュ直後。いつもの笑顔が達成感でさらにはじける!

    完走したランナーに贈られるフィニッシャータオル。記念に嬉しい

    完走メダルには、神戸ポートタワーや明石海峡大橋がデザインされている

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    ゆかさんもフィニッシュ。涙のワケは…

    片桐さんの完走から1時間22分後、ゆかさんもフィニッシュ。

    タイムは、6時間24分。体調を壊しながらも諦めることなく懸命に走り続け、初フルマラソンを完走。よくがんばりました、おめでとう!!

    「最後のほうはほとんど歩いてしまいましたが、とにかくゴールまで行くしかないという気持ちで…。40kmくらいのところに友だちがいてくれて、『走れー!』という声に背中を押されました。

    友だちはもとより、スタートからフィニッシュまで沿道にはランナーを応援する方がたくさんいて、私のこともすごく応援してくださって。あの力がなかったら、ゴールできなかったと思うほどです」(ゆかさん)

    フィニッシュした瞬間、ほっとした表情に

    ところが、フィニッシュしてから少し経つと、ゆかさんの目には涙があふれて…。

    「なぜ泣いたのか、自分でもわからないんです。たぶん安心したからだと思います。終わってみて思うのは、フルマラソンって喜怒哀楽の爆発ですね。最初は楽しいって思いながら走っていたけど、途中から自分の思うようにならなくて、それでもいろいろ考えながら乗り越えて、最後は安心して。

    悔しい気持ちもありますが、それを晴らすために次また走りたいかというと、今はまだわかりません。でも、東京マラソンに当選したので、近いうちに走ることにはなるんですけど(笑)」(ゆかさん)

    フィニッシュエリアに立ち尽くし、涙を流すゆかさん

    泣きながらも笑顔。確かにいろんな感情が爆発!

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    フルマラソンを完走するための100日間のチャレンジを追ったこの企画。二人とも達成という嬉しい結果に。

    『ASICS Running Program Road to 神戸マラソン2025』が、完走に役立った部分について聞いてみると、

    「私はほとんどプログラムのとおりに練習をしただけです。完走できたのは、このプログラムに参加したからこそ! 毎週コーチから配信される『こういう準備をしたほうがいい』といったアドバイスも、とても参考になりました」(片桐さん)

    「最初はこんなにたくさんトレーニングできるのかと途方に暮れましたが(笑)、やってみると意外と無理がなくて、クリアできると楽しくなりました。本番が近づいてけっこう緊張した時も、積み重ねてきたトレーニングが心のお守りになったというか。自分を信じられたのは、このプログラムのおかげだと思います」(ゆかさん)

    ランニングのプロであるアシックスが、フルマラソン向けに開発した独自のトレーニングメソッド。それを実践することで、完走するためのフィジカルが着実に鍛えられるのはもちろん、その積み重ねが自信へとつながっていく──。

    100日間という短くない期間を努力し続け、手にした成果は、二人にとってかけがえのないものとなり、この先もなにかと励みになってくれるはず。片桐さん、ゆかさん、本当にお疲れさまでした!

    夕暮れの神戸ポートタワーと、フルマラソンを終えたランナーたち

    アシックスのランニングアイテムをチェック

    今後もプログラム募集の予定あり!

    Information

    『ASICS Running Program』は、神戸マラソンなど大きなマラソン大会や、季節に合わせて行われるプログラムの参加者を募集。

    サービス内容や過去参加者の声など詳細をチェックして、次回の募集に備えよう!

    ※現在、募集中のプログラムはありません。

    写真・太田太朗 取材、文・保手濱奈美

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