
瀬川琉久選手
撮影には、EGOZARUより11月に発売される自身初のシグネチャーシューズを履いて登場。19歳の若さにして、シグネチャーラインを展開するほど期待されている選手、それが千葉ジェッツで2季目を迎える瀬川琉久選手だ。
目標は優勝してタイトルを取ること、勇樹さんからスタートを奪うことです
そのすごさは学生時代の経歴が物語っている。卓越したドリブルワークと得点力を生かし、本山南中、U15のクラブチーム「ゴッドドア」(共に兵庫)、東山高(京都)と所属したすべてのチームを全国制覇に導く活躍ぶり。高3時にはU18日本代表の司令塔を務め、世代ナンバーワン選手として常に注目を集めてきた。
海外挑戦を含めて高校卒業後の進路が注目されたが、彼が選んだのは、Bリーグ屈指の強豪・千葉ジェッツへの加入だった。しかも卒業を待たず、12月のウインターカップを終えた直後の1月より特別指定選手(プロ契約)として活動を開始。「日本のトップレベルの選手からいろんなことを吸収することで、目標であるロサンゼルスオリンピック出場に一番近づける道だと思いました」と将来を見据えて決断したプロ入りだった。
レギュラーシーズンは22ゲームに出場し、平均7.3得点はルーキーとしては堂々の数字。シーズン中には司令塔を務める富樫勇樹選手の負傷離脱もあり、チャンピオンシップでは全5試合に先発のポイントガードとして抜擢されている。
「最初はベンチに入ることにも一苦労するだろうな、と思っていたのですが、最初の試合に出た時に『できるな』と思ったのが正直な感想です。その後プレータイムが伸び、勇樹さんの怪我もあって自分がスタートで出るチャンスが回ってきました。1年目でBリーグの強度を知ることができ、ガードとして勝たせるための役割を担えたことは、この年齢ではなかなかできないことなので、今後のバスケ人生において、重要な経験ができたと思います」
昨シーズンはBリーグで最も印象に残った選手に与えられる「最優秀インプレッシブ選手(MIP)」を受賞。錚々たる先輩たちに囲まれて登場した授賞式では「小さい頃から画面越しに見ていたスター選手ばかりで緊張しました。これからの期待を込めていただいた賞だと思うので、もっと頑張ります」と発言して初々しさを見せていたが、高卒ルーキーとは思えぬインパクトを与えていたことからも、納得の選出だった。
もちろん、若さゆえに課題もある。
「プロとして試合をするにはもっとゲームIQ(戦術的な判断力)が必要ですし、フィジカルの強さや3ポイントの部分も改善していかなくてはなりません」
そう語る決意からは早くも2季目にかける思いが伝わってくる。開幕は目前。来たるシーズンの目標を聞くと、信念ある答えが返ってきた。
「チームの目標としては、もちろん優勝してタイトルを取ること。個人としては、勇樹さんからスタートを奪うこと。そしてもう一つ、シーズン中にあるワールドカップ予選で日本代表に選ばれることです」
これぞ、18歳でプロ入りを決めた理由であり、キッパリと言い切る強気の姿勢こそが何よりの魅力。8月に19歳になったばかりの成長株が躍動する千葉ジェッツの試合から、目が離せない。
新シーズンが開幕! 見どころは?

10周年を迎えるBリーグ。近年は大物外国籍選手が続々加入し、リーグのレベルが上昇。瀬川選手に代表されるように若手の勢いもあり、優勝争いはより熾烈に。実力伯仲なだけに、どのアリーナも大盛況でファンの応援もヒートアップ。注目はBリーグ初の新人ドラフトが来年1月末に行われること。また、シーズン中にはW杯予選も行われるので、選手選考を兼ねたバトルも見どころ。ⒸB.LEAGUE
Profile
瀬川琉久
せがわ・りく 2006年8月14日生まれ、兵庫県出身。千葉ジェッツ所属。185cm。ポジションはPG。東山高3年時にインターハイ制覇に導く。2025年1月に千葉ジェッツに加入。今夏はU23日本代表として「GLOBL JAM 2025 Canada Toronto」大会に出場。
Information
B.LEAGUE 2025-26シーズン開幕
10月3日(金)のアルバルク東京vs宇都宮ブレックス戦を皮切りに、5月上旬までB1リーグ戦を開催。バスケットLIVEにて全試合配信。千葉ジェッツのホーム開幕戦は第2節。vs仙台89ERS 日時:10月11日(土)・12日(日) 共に14:05~ 会場:LaLa arena TOKYO-BAY
anan 2465号(2025年10月1日発売)より