
疲れた日も元気が欲しい日も心に寄り添ってくれる花がある。花セラピストの青山克子さんのアドバイスをもとに、フローリストのcaco.さんが気持ちに寄り添う花をスタイリング。今の自分にぴったりの一輪を選んで心にもやさしいご褒美を。
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Profile
青山克子
花セラピスト、一般財団法人国際花と緑のセラピー協議会代表理事。生け花草月流師範と心理カウンセラーの経験から、花の心への効果が一目でわかる独自の「花心理グラフⓇ」を考案。花の力で心を癒し、人が持つ力を高める「花セラピー」を構築。
caco.
フローリスト。東京・世田谷区にあるフラワーショップ『fram.』を営みながら、空間装飾、撮影スタイリング、ウェディング、フラワーデザインなど幅広く活躍。日常に寄り添いながら、花の新たな可能性を提案。
花を選び、飾って、自分の心をいたわる
色や形の美しさで目を喜ばせるだけではなく、花には心に働きかける力がある。そう語るのは花セラピストの青山克子さん。
「世の中には、豪華なジュエリーや素晴らしい絵画など、私たちの心を動かしてくれるものはたくさんあります。その中でも花ならではの魅力は、生き物であること。みずみずしい質感や香りがあり、蕾がほころび、花が開くなど、日々少しずつ姿を変えていく。そんな花を眺め、触れ、手入れをし、五感を使って関わることで、頭で考えることから少し離れ、自分の感覚や感情に自然と意識を向けられるようになるのです」
また、花や緑には、その人の状態に応じて、心身をより良い方向へ導く力もあるそう。
「花には調整効果があるといわれています。たとえば、緊張しているときには気持ちを落ち着かせる色を、元気が欲しいときには活力を感じる色を取り入れるなど、花を上手に選ぶことで、理想の状態へ近づけることができるのです」
さらに、自分のために花を選び、飾ること自体にも意味がある。それは、自分が過ごす環境を心地よく整えようと自らに働きかける行為でもあるからだ。
「私はよく『お花で心のマッサージをしよう』と伝えています。花との触れ合いを通して、自分と向き合い、手をかけるきっかけをつくる。花を飾ることはそんなやさしいセルフケアの一つなのです」
今回は青山さんのアドバイスをもとに気持ちに寄り添う花のスタイリングをフローリストのcaco.さんが提案。今のあなたに必要なお花の処方箋を見つけてみて。
休息|仕事を頑張りきって、心も体もクタクタなとき
ピンクと緑で、心ほどける癒しの花

「癒しを感じさせるピンクのカーネーションやトルコキキョウなど、やわらかな印象の花をメインに、明るいグリーンとラベンダー色を組み合わせます。花と花の間にほどよく空間を持たせ、ふんわりと軽やかに生けることで、眺めるたびにほっと心がほどけるような雰囲気になりますよ」(青山さん)。
トルコキキョウを主役に、軽やかに揺れる葉や花を取り入れて、ゆったりとした雰囲気に。これから花開くクレマチスがアクセント。
「花の高さに変化をつけ、花同士の間に余白を残すことで、軽やかでやさしい仕上がりになります」(caco.さん)
自己肯定|なんだか自分に自信が持てないとき
ピンク×イエローで、自信を与える

「存在感のある一輪のピンクの花を主役に、楽観的で明るい印象を与えるパステルイエローの花をプラス。あえて2色に絞ることで、それぞれの色の存在感がより引き立つでしょう。気持ちがそっと上がり、前向きで軽やかな気分へと導いてくれるはずです」(青山さん)。
ピンクのランとパステルイエローのマリーゴールドは、それぞれの色を混ぜ込むことはせず、かたまりで大胆に生けて一輪一輪の存在感を際立たせて。
「気品のあるランを取り入れることで、全体的に凛とした佇まいになるでしょう」(caco.さん)
安心|ひとりの夜、ちょっぴり寂しさを感じるとき
オレンジの温もりで満ち足りた気持ちに

「温かみのあるオレンジ系のカラーやダリア、サンダーソニアなどを、色の濃淡をつけながら組み合わせます。豪華になりすぎないよう、花同士をコンパクトにぎゅっとまとめることで、満ち足りた気持ちへと導いてくれることでしょう」(青山さん)。
マリーゴールドやサンダーソニア、バラで色の濃淡やつぼみの大小に変化をつけ、クリーム色のガーベラを加えて温かなグラデーションに。
「アワを取り入れて親しみのある表情もプラスしました。隙間を埋めるようにあえて花同士を重ねつつ生けることで、充足感を得ることができます」(caco.さん)
高揚|理由はないけれど、とびきり気分を上げたいとき
鮮やかな赤・黄・紫で、気分を高めて

「とびきり気分を高めたいときは、赤と黄色を中心とした華やかな組み合わせに、紫の花を加えます。鮮やかな3色を大胆に取り入れ、思いきって全体にボリュームを出すことで、非日常感のある華やかで特別な世界観を作りましょう」(青山さん)。
伸びやかなグロリオサで立体感を出し、クレマチスやほどよい大きさの赤いダリアを合わせて、贅沢な“ご褒美感”を演出。
「ボリュームを出しやすく日持ちもするヤマゴボウは、ベリーのような愛らしい姿に加え、時間とともに少しずつ変化していく色合いも楽しめるのが魅力です」(caco.さん)
入眠|眠りにつくまでの時間を穏やかに過ごしたいとき
やさしい紫とピンクで、穏やかな眠りへ

「心地よい眠りへと誘う、やさしい色合いの紫色の花をメインに、淡いピンクの花を足しましょう。気軽に楽しめる一輪挿しはもちろん、4~5本ほどをこぢんまりとまとめて飾るのもおすすめです。寝室にもすっと自然になじみますよ」(青山さん)。
やさしい紫色のフロックスを中心に、淡いピンクのガーベラを1段高く生け、さりげないアクセントに。
「フロックスは葉も一緒に生かしやすく、自然なグリーンを添えられる。一輪挿しでも葉ものを合わせれば花がしっかりと支えられ、無理なくきれいに形が整います」(caco.さん)
鎮静|イライラして、気持ちがたかぶっているとき
寒色に赤をひとさじ、心をクールダウン

「気持ちをクールダウンさせてくれる白と青、紫の花をメインに、アクセントに小さな赤い花を添えましょう。寒色を基調にしながら赤を少量効かせることで、イライラの根底にある向上心や情熱といった内なるエネルギーにもそっと寄り添います」(青山さん)。
甘い香りが特徴の白いバラ「ココット」と青のアジサイ、紫のデルフィニウムを中心に、涼やかな印象に。
「赤は強く主張させず、やわらかな色合いのクレマチスをほかの花々の間にそっと忍ばせました。さらに葉のグリーンを加えることで、自然体で爽やかな雰囲気を演出しています」(caco.さん)
anan 2514号(2026年10月7日発売)より
































