スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『WAGURISHIRATSUYU GINZA(ワグリシラツユ ギンザ)』の支子(くちなし)です。

能登の契約農家から届く「美玖里」のモンブラン「支子」¥2,450(10×10cm)。なめらかな口溶けの中で、ほっこりとした栗の滋味を心ゆくまで楽しめる。自立できないほど柔らかだけど、升入りだから持ち歩きも安心。シェアして食べても、独り占めしても幸せなサイズ感。

ミネラル豊富な土壌と厳しい寒暖差に育まれたたくましい能登の栗には、濃厚な甘味と香りが詰まっている。「栗農家と食べ手を繋ぎたい」。そんな地元愛を胸に、能登出身の坂本太朗さんが金沢で和栗専門店を始めたのは5年前のこと。農家との理解を深め、ファンも増え、これからという時に能登半島地震に見舞われた。土地の味わいを守り未来へ残したいと、被災した栗農園を引き継ぎ再建。自ら栽培を手掛けつつこの春、次のフェーズへ。銀座に初の支店を構えた。

取り寄せ不可で金沢でしか手に入らなかった升モンブラン「支子」も銀座にお目見え。主役は能登栗の中でもホクホクして甘さと香りがとりわけ力強い、“栗の女王”「美玖里(みくり)」。充分甘いこともあり、あえて熟成せず、完熟とれたてのフレッシュな味わいを楽しませる。香りが飛ばないよう、その日の分だけ高温短時間で蒸しあげて裏漉し。ペーストにして急速冷凍しておく場合はわざと粗めにし、使う直前に漉して徹底的に香りをキープする。口にすると極細マロンペーストがはらりとほどけ、栗の朴訥とした香りが溢れんばかり。国産マスカルポーネ入りスフレのクランブルやクリームとミルキーに溶け、そぼろ状にした「美玖里」の甘露煮が栗感を底上げ。軽やかなのにどこまでも栗が凝縮され、能登栗を好きにならずにはいられなくなる。

Profile

chico

チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。

Information

WAGURISHIRATSUYU GINZA

東京都中央区銀座6‐10‐1 GINZA SIX B2 TEL:03・5938・4537 10:30~20:30 休みは施設に準ずる

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写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico

anan2446号(2025年5月14日発売)より

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プライベートの悩みや秘密に関係しやすい日です。人の悩みに深入りすると抜けられなくなりかねないので、力になれる範囲を見極め、難しいと感じたら無理せず引きましょう。また、何かの拍子に自分から打ち明け話をすることがあっても、うっかりでは済まないことを言ってしまわないように気をつけて。自己抑止が大事な日です。

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