ドキュメンタリーで描かれるPerfumeのこれまでとこれから

結成25年を節目に活動休止となったPerfumeの、これまでの活動とコールドスリープに至る彼女たちの心境に迫ったドキュメンタリー映画『Perfume“コールドスリープ”-25 years Document-』が公開。


2025年末をもって「コールドスリープ」という形で活動を休止したPerfume。なぜ3人は活動を“凍結”したのか。その決断にいたるまでの日々がドキュメンタリー映画になってスクリーンで明かされる。そこで描かれるのは3人の決断にいたるまでの思いと、眠りにつくまでのカウントダウン。これは2025年のPerfumeから届いた、タイムカプセルのようなフィルムだ。

映画は同年9月15日、東京ドーム公演のリハーサルのシーンから始まる。リハを終えた3人が、ライブを一緒に作ってきた制作チームに活動凍結を直接伝える。そこから映画は25年間のPerfumeの歩みを振り返りながら、活動休止を決めるまでの経緯や、メンバーの心情をていねいに追いかけていく。

とはいえカメラが密着をはじめたのはコールドスリープが決まるもっと前のこと。そのときは25周年に向けての記録として始まったものが、奇しくも彼女たちの転機となる今回の決断をとらえ、最終的にはコールドスリープの瞬間までを見届けるものになったという。予定外の展開から生まれたドキュメンタリー。だからこそ、25周年を前にした3人の意気込みや期待、コールドスリープという選択肢に出合い、だんだんと心を決めていくその感情のグラデーションをもカメラはリアルにとらえている。

そして作中にはそれぞれの思いを語ったソロインタビューも。そこで語られる25年間の活動に対する情熱と、そしてファンやスタッフなど周りの人への思いには、トップアーティストになっても「人として大事なこと」を忘れない3人の人柄が表れている。

Perfumeはコールドスリープ直前までの約12年間にわたりanan本誌で連載をしていた。そこでも読者と同じ目線で、好奇心たっぷりに等身大の暮らしを楽しみ、好きなもの、ことを惜しみなくシェアしてくれる彼女たちの人柄そのものが記事の魅力となっていたように思う。実際、映画では25周年の東京ドーム公演のレッスン風景もとらえているのだが、いつもと変わらないひたむきかつ謙虚な姿勢で、鏡の前に立つ姿がとりわけ印象的だった。この3人の変わることのない純粋さが、Perfumeがたくさんの人に長く愛されるグループになった秘密なのだと、あらためて感じるシーンだった。

それでも本作はここまでの歩みを知るファンだけのものではない。同世代を生きる人、特に女性に向けては大きなメッセージが込められている。30代の今だからできること、一生続けていきたいからこその「休み」という選択。3人が迷いながら自分らしい生き方を探っていく様子は、観る人すべてに大きな問いを投げかけている。

思えば2017年、Perfumeのanan初表紙号となった号の特集テーマは「生き方を選ぶ」だった。時は流れて4度目の表紙号かつコールドスリープ前最後の表紙となった2476号のインタビューでも、3人はその特集を振り返り、そして今回の選択について語っている。

「当時は『私たちに務まる特集なのかっ?』って責任を感じて…。でも時を重ねるなかで、その言葉がしっくりくるようになってきたんです。だから今回も自分たちの基準で生き方を選べたなって」(あ〜ちゃん)

「(今回のことは)新しい道を開くのが大好きな3人だから選べた選択だったのかもしれません」(かしゆか)

「コールドスリープという選択肢をいただいた時(不安よりも)『そしたらこの先どうなるんだろう?』っていうワクワクがありました」(のっち)

広島アクターズスクール時代から Perfumeを側で見守ってきたMIKIKO先生だけでなく、これまで見ることのなかった3人を影から支えてきたスタッフの姿もたくさん映っている。今回の決断を受け止め笑顔で東京ドーム公演を支えるライブスタッフ、マネジメントチーム、そしてどんなときも3人に寄り添う、あ〜ちゃんの愛犬・Popotan&BeBetan。この映画はPerfumeを影で支える人たちを描いた物語でもあるのだ。

25年の軌跡を辿り、映画は'25年の東京ドーム公演でクライマックスを迎える。“チームPerfume”の総力を結集したステージングが、観客を熱狂の渦に巻き込んで、やがて東京ドームがひとつになっていく。現地に行った人も、行けなかった人もまるであの日の東京ドームにいるように、美しくもカリスマティックな3人勇姿を目に焼きつけてほしい。

気づけばコールドスリープからもうすぐ半年。2476号のインタビューでは、“コールドスリープ後”をこう語っていた。

「私たちにとって2026年は2025年の地続きにある感覚」。(かしゆか)

「Perfumeになっていなかったバージョンの『もう一つの青春』を生きる」(のっち)

「これは前人未到のスーパーウーマン化計画の第一歩!」(あ〜ちゃん)

まさにその言葉を体現するような Perfumeの「今」が垣間見られるシーンも登場するので楽しみにしていてほしい。これまで3人とともに歩んできたanan読者なら、今を軽やかに生きるその姿に特大のモチベーションをもらうことになるはずだ。そして主題歌に、中田ヤスタカ氏書き下ろしの新曲というスペシャルなプレゼントも。そういえば2476号インタビューの合間にも、3人はこう話していたのだ。「姿が見えなくなっても大丈夫。曲や作品を通して、私たちはいつも隣にいますから!」

今この瞬間も、Perfumeは私たちと一緒に歩み続けている。

information

『Perfume“コールドスリープ”-25 years Document-』

全国の映画館にて公開中。公式サイトはこちら

コールドスリープ目前のPerfumeが表紙を飾った anan 2476号スペシャルエディション(2025年12月17日発売)

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文・大澤千穂

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