漫画『We are connected』の作者、菜緒都さんにインタビュー。
“最終的に同じ方向を向く”ことが僕の考える連帯のイメージ
雑談ポッドキャスト「We are connected」を配信している高校の元同級生4人。収録のため、その日も、春、葵、ゆうは恵理の部屋にやって来た。性格や好みも違う女子大学生たちは、ベタベタしていない独特の空気感を放つ。
「僕の根底にあるのは、第一に、カッコいい人物や雰囲気を描きたいという欲求です。その点で松本大洋さんをお手本としているところもあるのですが、実は前々から、松本大洋さんが少女マンガを描いたらどうなるんだろうという妄想もしていました。そういう中でワンシチュエーションの会話劇を作ろうとなったときに、自然と女性をメインキャラに選んでいました。4人の距離感が不思議だと言われることもありますが、僕自身は『女性同士、仲が良くても終始ワイワイしてないよね?』とも思ってますので、現実的に考えてあのようなテンションになっているのだと思います」
これから就活に向かう彼女たち。自由に語り合う裏側で、密かに番組にネガティブコメントを送ってくる人が。読者は、水面下で進行している出来事にハラハラしながらページを繰ることになる。

Ⓒ菜緒都/リイド社
「コメディではないワンシチュエーションの会話劇なので、やはり物語を牽引するのはサスペンスだろうと思いました。4人それぞれに隠し事を持たせて、さらには読者にもそれを隠すことで、ハラハラのレイヤーを多く生み出せたと思っています」
さりげない会話でありながら、思わず首肯してしまう印象的なセリフがあちこちに現れ心を射貫く。ひとの心を変え得るけれど、あくまで間接的に心に留まるような言葉を、どういうバランスで彼女たちに言わせるかには腐心したと菜緒都さん。
「そういえば、連帯という言葉を、作品中では使っていません。シスターフッドという概念も、作品の中の一要素として楽しみはするが、現実の社会にある問題としては興味すら持たない人もまだまだいるのではないかと思っています。特に男性ですよね。白状しますと、かくいう僕もマンガを描くようになって初めて女性や性的マイノリティの方たちが抱える問題に関心を持ちました。
『男のおまえに何がわかるんだ』と言われるかもしれませんが、男性からもこういう作品が出てくるということを示せたのは、クオリティは抜きにして、ある程度意義はあるのかなと思っています。『みな考えの違いはあるし、他の人たちがどう思っているかはわからないけれど、最終的に同じ方向を向く』ことが僕の考える連帯のイメージ。いろいろな意見があるかと思いますが、僕は4人が集まっているあの瞬間を生み出せたことが本当にただ嬉しいです」
Profile
菜緒都
なおと 1985年、新潟県生まれ。マンガを本格的に描き始めたのは、36歳ごろから。2024年にWebマンガサイト「路草」にてデビュー。本書が初単行本。
information
『We are connected』
映画的なカメラワークで進められる、女性4人による小さな革命ストーリー。Webコミックサイト「路草」で本作の原点となる短編が読める。リイド社 1210円
anan 2493号(2026年4月22日発売)より


















