進化中のいまこそ始めどき! ChatGPTで変わる、私たちの暮らしの景色

ライフスタイル
2025.04.19

生成AIのなかでも代表的なChatGPT。試してみたいけれど、使い道がわからない! そんな初心者のお悩み解消のヒントをご紹介します。

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    そもそも生成AIってなんだっけ?

    私たちの生活のあちらこちらに搭載されている人工知能。一口にAIといっても、さまざまな種類がある。

    「画像の中のトマトとリンゴを見分けるといった区別の作業を得意とする『識別AI』や、データをもとに何かを予測することに長けた『予測AI』など、得意分野や用途ごとにさまざまなAIの種類が存在します」(AI研究者・今井翔太さん)

    こうしたAIのなかでも、特にこの数年で私たちの生活に浸透したのが「生成AI」。こちらは人間が出した指示をもとに、コンテンツやアイデアを創造できるAIを指す。

    「テキストからコード、画像、映像、音声まで、さまざまなコンテンツを生成できるAIが登場しています。画像ならば、『空から降ってきた隕石をバットで打ち返す猫』など、現実にはあり得ない状況を描写することも可能です」と今井さん。ゼロから何かを生み出すだけではなく、『名探偵コナン』に登場する蝶ネクタイ型変声機のように自分の声を違う人の声に変えたり、ある文章を異なる言語に翻訳したりと、既存のアイデアやコンテンツを発展させたり変化させるものも生成AIに含まれる。

    私たちの生活をより便利に、より創造的にしてくれる生成AI。できることが多い分、いざ自分の生活に活かそうと思うと、ハードルが高く感じてしまったり、用途に迷ってしまうことも。そんな生成AI初心者のために、anan読者にオススメの使い方を今井さんに聞きました。

    What’s ChatGPT?

    質問や相談をメッセージ形式で送るだけで、レシピ提案から英語添削、文章作成まで幅広く対応してくれる対話型AIサービス。テキスト生成はもちろん、写真の理解や画像生成、調べものまでさまざまなタスクをこなす。日本語にも対応しており、特別なプログラミングの知識がなくても直感的に使いこなせるのが魅力。無料版と機能が充実した有料版(月20ドル~)がある。日常の悩みから仕事の効率化まで、多様なシーンで活用できる。

    ・生成AI初心者はChatGPTを使えばOK。
    「生成AIを使ったツールやサービスが急増していて、正直、研究者も追いきれていません」と吐露する今井さんが、生成AI初心者におすすめするのが今回紹介する「ChatGPT」。「テキストから画像、図表まで幅広く扱えて、この手のツールでは珍しく日本文化にも詳しい優れものです」

    ・ChatGPTは間違える! あくまで「参考」に。
    回答の精度がどんどん向上し、いまや万能にも思える生成AI。ただし、どんなに細かな指示を出したとしても、間違った回答が戻ってくる可能性は常にある。どう間違うかは、AIの専門家でも予測できないと今井さん。AIからの回答は全面的に信用するのではなく、あくまで参考程度にとらえておくことが大切だ。「出されたものをベースに、自分でアレンジなり確認なりする心がけを」

    ・生成したものの共有には、最大限の注意を。
    「個人で楽しむ分には何をしてもよいと思います」と今井さん。ただし、他人と共有するとなると話が違う。「生成したものを誰かに送ったり、SNSなどで公開したりするときには注意が必要です。それが生成AIで作られたものだと明記することが大切ですし、たとえそう書いていたとしても炎上のリスクがあることは覚えておきましょう。AIに対して漠然とした不安を抱える人は多いのです」

    ChatGPTで変わる、私たちの暮らしの景色

    料理や旅行計画から英会話練習まで。気軽に相談できるAIアシスタントがいれば、毎日の暮らしがもっと便利に、もっと楽しくなるかも?

    【料理】中途半端な冷蔵庫の残りものでカスタムレシピを複数提案。
    「冷蔵庫に食材が中途半端に余っているときってありますよね」と今井さん。特に珍しい食材の組み合わせだと、検索だけではなかなかいい感じのレシピにたどり着けないことも。そんなときには、ChatGPTに余り食材のリストを送信。食べたことのない新しい味を提案してくれるかも。

    【英会話】シーンに合わせた会話の予習や英会話の練習相手にも。
    今井さんも重宝していると話す活用法のひとつが、シーンに合わせた英会話の練習。「『国際学会で想定される会話を生成してください』とお願いすると、会話例をたくさん挙げてくれます。音声読み上げ機能で発音も学べるんです」。さらに音声入力を使えば、人間よりも気楽な英会話の練習相手に。

    【執筆】文法や表記の間違いを自動で修正して報告。
    今井さんは論文や原稿の執筆にもChatGPTを活用。「ファイルをアップロードして指示を出せば、誤字脱字や表記ゆれ、英語の文法ミスなども修正してくれます」。修正された箇所を確認したい人は「どこを修正したか教えて」と指示しておこう。修正内容をリストアップしてくれるので安心。

    【旅行】場所や期間など希望に応じて旅行プランを立ててくれる。
    「1週間でドイツもオーストリアも観光したい!」。そんな贅沢な悩みも、ChatGPTが解消してくれるかも。「行きたい場所を入力すれば、おすすめのルートを教えてくれます。『この城はルートから外れすぎていて現実的ではありません』と、無理な要望を指摘してくれるのもありがたいです」と今井さん。

    【ダイエット】自分の体型と目標に合わせてプランニングからアドバイスまで。
    ダイエット中に面倒なのが、食事のカロリー計算。「食事の写真や食べたもののリストを送ると、ChatGPTがおおよそのカロリーを算出してくれます」と今井さん。さらに有料の「MyGPT」機能を使えば、ダイエットプランを予め登録し、それに合ったアドバイスをもらうことも可能。

    ※MyGPTとは?
    ChatGPTを自分仕様にカスタマイズできる有料機能。口調や知識の範囲、事前情報などを設定し、自分専用のAIアシスタントを簡単に作成・保存できる。

    【翻訳】ドイツ語にアラビア語に…英語以外も意味を酌んで翻訳。
    仕事柄、ドイツ語やヘブライ語などの文献をあたることもあるという今井さん。概要を掴むためにもChatGPTを活用している。「Google翻訳のような他の翻訳ツールと比べて、ChatGPTはその国や地域の文化を加味したり、行間を読み取って翻訳したりしてくれるのが強みですね」

    PROFILE プロフィール

    今井翔太さん

    1994年、石川県生まれ。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻松尾研究室出身で人工知能分野における強化学習の研究に従事。著書『生成AIで世界はこう変わる』(SB新書)など。

    イラスト・モリスン 取材、文・川鍋明日香

    anan 2443号(2025年4月16日発売)より

    MAGAZINE マガジン

    No.2443掲載2025年04月16日発売

    自分を高めるスキルアップ! 2025

    学びへの意欲が高まる春にぴったりのトピックスを集めた「自分を高めるスキルアップ!2025」特集。スキルアップを続ける小森隼さん(GENERATIONS)と武田梨奈さんのインタビュー、ChatGPT入門、野菜を育てるスキルを手に入れる方法、劇的成長が狙える大学院への道、趣味をスキルアップさせる愉しみなど、新しいチャレンジへの背中を押してくれる一冊です。さらに、初著書『半分論』が4月14日に発売される村上信五さんが今作に込めた想いを語るスペシャルな企画も。CLOSE UPには、B&ZAIのみなさんと、俳優の髙石あかりさんが登場します。

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